未完成 家入レオ

最近出会った名曲

「未完成」

出会いはコロナ渦が続き
娯楽を削られた中での久しぶりのテレビのライブ放送 確かカウントダウンtvか何かだったと思う

この日の出演者は最近人気のあるアーティストばかりで 楽曲フル演奏となかなか豪華な回だった

その中で特に注目していた訳でもなく
彼女の代表曲も知らずに見ていた
家入レオ
彼女の印象は独特の顔と綺麗な声で歌も上手い
程度だった

各出演者の歌唱前にインタビューが入るのだが
彼女は「フルでやらせて貰えるのは光栄だけどこの歌は生で歌いきれるか分からない」と言った
この時点で この曲に籠められた物が普通ではないと分かる 少しゾクッとした
これは心の闇を含む物だ

キャリアのあるプロ歌手が自分の歌を歌いきれないのは坊主がお経に詰まるのと同じだ
ただ事ではない

イメージだが彼女は影がある 何となく素の部分が見えない この歌に少し心の奥を綴ったのだろう

この歌はサビから始まる

「愛を止めて 僕から逃げて
壊して欲しいよ 全部 全部
過去も捨てて 笑い飛ばして
いいよ いいよ いいよ」

あ、あまりにも悲痛だ

この後に続く歌詞は聴いていても耳に入ってこなかった この思いの詳細や 思いに至った経緯を綴っているのだろうが 冒頭のサビだけでこちらの心が破壊される
歌っている本人も耐えきれないのがよく分かる
こんな苦しみを心から引きずり出してまた飲み込まないといけないのである
堪ったものではない

加えて作詞は 家入レオ 本人だ
この歌詞が彼女の過去なのか今なのか分からないが彼女に感じた影が自己否定と肯定の大きな揺らぎの中から生まれた物だと伺い知れた

この放送の歌唱中 彼女の歌に聴き入った
とにかくサビが心に刺さる
「壊して欲しいよ 全部 全部」
ここの歌唱がとんでもなく繊細だ
聴いているこちらの感情に関係なく 苦しくなる

私は おそらく人を愛して そして憎んだとしてもここまでの感情を持つ事はない
愛の深さが憎しみの種になる
誰かへの愛も自己愛も 憎む位なら愛さない方が良い とブレーキをかけてしまう

歌唱が続く中そんな事を考えていたら
このまま歌いきるかに見えた彼女が
俯いたまま歌だけが止まった
演奏は続いている歌詞テロップも流れている
ここで私は純粋に

…大丈夫か?
…被せ無しの本気の生歌だったんだな
と息を飲んだ

がワンフレーズ飛ばしただけで彼女はリカバリーして歌いあげた。

彼女のプロ根性に惚れると共に歌唱力表現力にも惚れた と ともに この歌にも惚れてしまった。

多分この歌を嫌いな人も多いはず
聴くと闇に持っていかれるんで



この曲は俯瞰せずにテーマを深くまで突き詰めた

調べて分かったがドラマのタイアップソングだった ドラマ自体は調べていないがテーマがあったのなら 彼女がテーマを深く掘り下げたのであって 心の叫びを吐き出しただけではなかったと知り安心した。


この歌は誰に何の感情を向けて歌っているのか分からなくなるくらい感情の制御が難しい
全てが未完成

との事で理解出来た
野球で例えるなら 投げた本人もバッターもキャッチャーも変化が分からないナックルボール
揺らぎと言うロマンの魔球だ

「未完成」は 揺らぎであり聴くたびに変化する事が魅力の魔曲

愛を止めて 僕から逃げて
壊して欲しいよ 全部 全部

こんな苦しい歌は 他であまり出会えない
珍しいタイプの歌に仕上がっている

まぁ個人的に この歌好きです

家入レオも好きになりましたー(照)

私が焼いてたぉ肉もどっか行きましたー